カエルの鳴き声がうるさくて眠れないと
田んぼの持ち主に苦情を訴えたという話が
SNSで話題になりましたね。
今回は田舎で生活していた私が
田んぼのカエルで思い出した
ちょっとだけ?背筋がゾクッとすることを
書いてみました。
それは夏の夜、ひそかにやってくる・・・
田んぼが家の側にあると
初夏から夏場にかけての夜は
カエルの大合唱に悩まされるのが常です。
私の実家も
田んぼに囲まれていたので
暑さで寝苦しい夜は特に
鳴き声が気になって
なかなか寝付けないことがありました。
とは言え
カエルが鳴くのは当たり前ですから
仕方のないこと。
そのうちに睡魔が来て夢の中へ・・・です。
ところが
新居に引っ越してからというもの
夏場になると
カエルの鳴き声以上に悩まされたことが
私にはありました。
2階なのに!
私が中学2年生の時
大雨で家の裏山が崩れ
私たちが住んでいた家は
住めなくなりました。
約半年間、避難所生活をしている間に
父は元あった家から離れた敷地に
新しく家を建て替えたのでした。
(ドの前に超がつくほどの田舎なので
土地だけはあるんですよね)
その家で
私の部屋は妹と並びの2階にありました。
部屋からは
ベランダに出られるようになっていて
目の前はご近所さんの田んぼ。
よく日が当たるので
布団を干すのには丁度いい環境でした。
夜は部屋の明かりに引き寄せられて
窓の外に虫が集まって来ます。
時にはカブトムシも!
そんなことも
田舎ではまあ、あるあるな話です。
しかし、
その虫を目当てにやってくる
お客さんがいたんです。
それが
夜の大合唱を興じる
アマガエルでした。
最初にベランダで見つけた時は
なんでこんなところに??
訳が分かりませんでした。
そこで
家の構造を見てみると
どうやらベランダの柱を伝って
2階まで登って来てるんだ
ということが分かりました。
カエルにとっては勝手に虫が集まって
来るいいお食事処だったんでしょうね~。
アマガエルの1匹や2匹程度なら
田舎育ちの私にはどーってことありません(笑)
でもね
それが5匹、10匹…とやって来ては
ベランダや窓にペタペタと
くっついてるのはなかなかに厄介です。
それに
そのベランダは先にも書いたように
とても日当たりのいい場所。
戦慄が走る事態が起きたのは
そこからでした…
悲劇
毎夜、毎夜
カエルたちはベランダへ昇ってきて
お食事会?を開きます。
そして
朝になると田んぼへ・・・
帰らない‼
というか
実際には帰れないんですね(泣)
もしかしたら
何匹かは来た道をたどって
帰って行ったかもしれません。
でも
大半のカエルは
ベランダに留まったままでした。
そこからが
悲劇の始まりです。
梅雨が明けると
真夏の太陽が毎日昼間ベランダを
容赦なく照らして行きます。
田んぼに帰れないカエルたちは
どうなるか・・・
ミイラに
なってしまうんですーーーーーー‼‼
気付いた時には
時すでに遅し。
ベランダはそこら中
アマガエルのミイラだらけになりました(汗)
ベランダで見つける度に田んぼに帰しても
数は減りません。
ただ
当時は受験生だったし
父の再婚や家族の介護もあって
なかなかに家の中のも私の頭も
グッチャグチャ(笑)。
解決策を見つけるより前に
諦めてしまって
真夏は出来るだけベランダには
出なくなりました。
攻防の末に
で
話が終われば良かったんですが…
そんなに簡単に忘れさせては
くれなかったんですよね。
虫を求めてやってくるカエルは
より確実に獲物を狙える
窓際にやって来ます。
そしてその窓は
雨が降らない限り
網戸側を常に
開けっぱなしにしていました。
エアコンのない部屋で
(扇風機があればしのげたので)
当時は出かける時でも
玄関の鍵もかけないのが当たり前の
環境でした。
(今じゃ考えられませんが)
そんな状況が重なった結果…
ついに
アマガエルが部屋にまで‼‼‼
さすがに
呼び入れてるわけでもないのに
部屋にまで知らない間に入って来るとなると
小さなアマガエルとはいえ
可愛いとは言ってられません!
その日を境に
アマガエルと私の
窓際の攻防が始まりました。
学校や外出する時は窓を閉め
部屋にいる時は
窓際にカエルが来ていないか
目を光らせて過ごしました。
寝る時は電気を消すものの
気が気ではなく
別面の腰窓と扇風機で
寝苦しい夜を
やり過ごしたのでした。
そうして季節は過ぎて
カエルの鳴き声も聞こえなくなった頃
ある時私は
見つけてしまったのです。
掃除をしようと
何気なく覗いた勉強机と壁の隙間に
忘れかけていたあの姿が…
そう
そこには
アマガエルのミイラが
横たわっていたのでしたーーーー‼
その翌年から
私の警戒心が爆上がりしたのは
言うまでもありません。
(終)
エアコンを使うのが当たり前になった今
こんなことを経験する人なんて
そういないとは思いますが、
田舎暮らしでは
私たち人間の生活と自然の境界は
考えている以上に
身近なものなんでしょうね。
田舎を離れて〇十年。
実家のことが気になる今日この頃です。
年取ったせいかな。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。